テレ朝社長 「報道ステーション」報道で謝罪「恥ずかしい事態」

 テレビ朝日の定例社長会見が30日、東京・六本木の同局で行われ、吉田慎一
社長が九州電力川内原発に関する「報道ステーション」の報道に関して「不適切な
報道があった。全面的にお詫びして訂正する」と謝罪した。

 10日放送の「報道ステーション」内で、原子力規制委員会の田中俊一委員長の
記者会見内容を誤って伝えた。竜巻の影響評価ガイドに関する質疑の内容を、
火山のものと誤認して放送。さらに、火山に対して答えた「答える必要がない」という
回答を他の質問の回答だと思われるように編集したというもの。後日、規制委からの
抗議で問題が発覚した。

 吉田社長は、今回の問題に対し、「深刻な問題だと受け止めてます。あってはならない、
まったく恥ずかしい事態。全面的にお詫びして訂正するとともに、速やかに『報道ステー
ション』でどこを間違えたかを含めて、修正報道をさせていただいた。あらためて規制
委員会にご了解を得た。委員会、関係者、視聴者の皆さまに大変申し訳ないことを
したと深くお詫びしたい」と謝罪した。

 「どうしてこのようなことが起こったのか、徹底的に早く調べてほしい。再発防止策も
緊急にやってほしい」と通達しているといい、「最大級で対応しようとしている」。社内で
2人のスタッフがメモ起こしをし、それを元に編集したといい、「メモが不完全で、雑な
省略だった。さらに、内部連絡も不十分で、全体像がわかっている人間がチェックを
していなかった。報道機関として恥ずかしい状態が明らかになった。複数のミスが
偶然にも起こってしまった」と弁明した。外部の調査委員を入れる予定はないとし、
関わったスタッフに関しては「厳正に処分する」とだけ答えた。 スポニチアネックス
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/09/30/kiji/K20140930009020820.html

 吉田 慎一氏(よしだ・しんいち)群馬県出身、東大卒。1974年朝日新聞社入社、
政治部長、取締役東京本社編集局長、常務取締役編集担当などを経て、
2013年上席執行役員、14年4月テレビ朝日HD・テレビ朝日顧問。64歳。
http://www.pressnet.or.jp/news/headline/140627_4218.html