日本新聞協会は3日、2014年度の新聞協会賞を発表し、朝日新聞社の
「『徳洲会から猪瀬直樹・前東京都知事への5千万円提供をめぐる一連のスクープ』
と関連報道」(東京社会部、特別報道部)が編集部門で選ばれた。受賞は3年連続。
10月15日に新潟市で開かれる第67回新聞大会式典で授賞式がある。

 最初の報道は13年11月22日付朝刊。猪瀬氏が12年の都知事選の告示直前、
医療法人「徳洲会」グループから現金5千万円を受け取り、一切公表していなかった
事実を調査報道でスクープした。猪瀬氏は、徳洲会が13年9月に東京地検特捜部の
強制捜査を受けた後、資金を返却したが、その事実も報道で明らかにした。
資金提供の直前に、徳洲会側が都内にある東京電力病院の取得を目指す意向を
猪瀬氏に伝えていたことも特報した。

 選考で「報道によって知事は任期途中で辞任に追い込まれ、刑事責任が追及される
事態へと発展した」などと評価された。

 編集部門のその他の受賞は次の通り。

河北新報社「潮路はるかに 慶長遣欧使節船出帆400年」▽
毎日新聞東京本社「『太郎さん』など認知症の身元不明者らを巡る『老いてさまよう』の一連の報道」▽
福島民報社「東日本大震災・東京電力福島第一原発事故 原発事故関連死 不条理の連鎖」▽
信濃毎日新聞社「『温かな手で―出産を支える社会へ』キャンペーン」
asahi.com
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