福岡県警が制作中の暴力追放ビデオについて、北九州市に本拠を置く指定暴力団
工藤会が「組員の子どもがいじめに遭う恐れもある。人権侵害だ」として、学校で
の上映を検討している市教委に中止を申し入れていたことが13日わかった。

 市教委によると、工藤会の林武男・最高顧問名で6月29日、「請願」が郵送
されてきた。「中学生や高校生向けに上映すると組員の子どもがいじめられるなどの
影響も懸念され、人権侵害にあたる」との趣旨という。

 ビデオはドラマ仕立てで暴力団組織の不合理さを描いており、現在、編集作業中。
市教委は「まだ県警から提供されておらず、学校に配るかどうかも決めていない。
請願には回答のしようがない」としている。

 ビデオの制作を担当している県警の薮正孝警視は「ビデオはいじめを誘発する
ような内容ではない」と言っている。

2006 朝日新聞