元漁協組合長を射殺したとして特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)の
最高幹部を殺人容疑などで逮捕した福岡県警の特別捜査本部は30日、昨年1月に
福岡市で40代の女性看護師が切られた殺人未遂事件にも関与した疑いが強まった
として最高幹部らに対する強制捜査に入り、ナンバー3らを逮捕した。
 捜査関係者によると、逮捕者はトップの野村悟容疑者(67)を含め十数人になる
見通し。
 指定暴力団の最高幹部らが複数の民間人への襲撃事件で逮捕されるのは極めて
異例で、県警は徹底した捜査で組織壊滅を目指す。

 一方、福岡地検は、1998年に元脇之浦漁協(現北九州市漁協)組合長、
梶原国弘さん(当時70歳)を射殺したとして逮捕された野村容疑者とナンバー2の田
上不美夫(たのうえ・ふみお)容疑者(58)を、殺人罪などで起訴する方針を固めた。
勾留期限は野村容疑者が10月2日、田上容疑者が10月5日で、上級庁と協議し
最終決定する。

 女性看護師は昨年1月28日午後7時ごろ、福岡市博多区石城町の路上で
徒歩で帰宅中、男に刃物で頭など3カ所を切られて重傷を負った。捜査関係者に
よると、看護師は当時、北九州市の勤務先で最高幹部とトラブルになっていたとみら
れるという。

 福岡県内では2006年ごろから工藤会の関与が疑われる企業への発砲事件などが
多発し、県暴力団排除条例が施行された10年以降は、民間人を対象にした切り
付けや放火が相次いでいる。しかし、そのほとんどが未解決で、福岡県警は全国から
捜査員や機動隊員の応援を得て捜査していた。毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20141001k0000m040166000c.html