九月に経営破たんした福岡市博多区の商業施設「ベイサイドプレイス博多埠頭
(ふとう)」をコリアンタウンとして再生しようという案が浮上している。同市内の
飲食店関係者らで組織するグループが近く、複数の韓国企業と日韓共同資本の
形で、同施設を所有・管理している第三セクター「サン・ピア博多」に提案する。
同社は民事再生法に基づき再生計画を策定中。ウオーターフロントが注目された
時代に誕生、にぎわった同施設。韓流ブームの追い風に乗ってコリアンタウンとして
生まれ変わるのか―。

 提案するのは「日韓友好コリアンタウンを作ろう会」。計画案によると、同施設の
空き店舗や閉鎖中の温浴施設を活用し、韓国の食材・物産店、本場の韓国料理店、
屋台、韓国のあかすり付きのエステなどを開業、定期市や韓国文化を紹介する
イベントも開催する。二十一日には、支援を申し出た韓国企業をはじめ日韓の関係者
約二百人が釜山に集まり合同期成会を開催、構想実現に向けて協力態勢を確認する。

 作ろう会世話人のレストラン経営吉田安政さん(63)は「構想は同市が目指す
『海に開かれたアジアの交流拠点都市』にもマッチし、アジアの玄関口にふさわしい
施設になる」と強調。「ニューヨークや横浜にチャイナタウンがあるように、国際都市を
目指す福岡にも隣国の文化を体験できる町があってしかるべきだ。福岡に定住する
韓国人も多く、交流の場にもなるのでは」と話している。

 サン・ピア博多は九月十三日に民事再生法の適用を申請。負債総額は
約三十九億円で、既に複数の企業がスポンサーとして名乗りを上げているという。
同社は十二月十六日までに再生計画を策定、債権者集会の承認を経て福岡地裁へ
提出する。福岡市は資本金の5%を出資。歴代社長は同市OBが務めてきた。

 同施設は一九九一年開業。年間来場者数が四百万人を超えた年もあったが
近年は大型施設が近隣に開業したことなどから減少、破たんした。
営業は通常通り続けている。


引用元:西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/news010.html