>>50
柴田の見解は知ってるけど、分かっていると思うけど、ちょっと古いよね。
まだ、東京方言のキャラが、山手下町問わず立っていた時代で、当時のテレビインタビューなどは、
今では落語家や昼ドラでしか聞けないような、コテコテの東京方言を話す人がぞろぞろ出てくる。

それはともかく、「緩やかな方言連続体」というのが、ちょっと気になるなあ。
東海道本線沿いに、関西から東へ向かうとして、遷移を斜面の傾斜で例えると、
垂井をこえ、岐阜で乙種圏に入ってからは、箱根まで200km以上、
ほぼ「一定の傾斜」でもって、グラデーションで徐々に方言が変わっていく。連続体とはよく言ったものだ。
箱根八里を越えると、その傾斜ががくっと緩やかになる。ほぼ平坦と言ってもいいくらい。
そして、関東平野の真ん中にさしかかると、今度は切り立った断崖絶壁のナイアガラ瀑布が待ち構える。
このナイアガラ瀑布の手前に聳える変なテーブルマウンテンが、東京方言。
ナイアガラ瀑布の滝壺を越えると、まだ平坦区間になる(茨城だ)。
福島に入るとやや急になって、そのまま仙台平野を松島丘陵の手前まで続く。南奥方言の本場だ。

単に、緩やかな連続体とは言いがたい面がある。
また、柴田の時代とは、東京方言のそそり立ち具合がかなり違っていて、
首都圏方言は、山手方言と比べれば当然、下町方言と比較しても、微妙なところではあるが、
むしろ西関東回帰のような様相をみせることがある。待遇表現や男女差は、下町方言よりはるかに粗雑で不明瞭。
音韻などは、むしろもっと西日本的だけどね>首都圏方言