我輩は本官である

名前はまだ無い

どこから来たかは決して言えぬ。

何でも薄暗いじめじめした所でギャーギャー喚いていた

事だけは記憶している。

吾輩は彩の国で始めて警官というものになった。

しかもあとで聞くとそれは警官という人間中で一番獰悪どうあくな種族であったそうだ。

この警官というのは時々県民を捕つかまえて煮にて食うという話である。