●銅フライパン(スズ引き)
銅板を加工し、内面にスズをひいたフライパン。銅は熱伝導がよくやわらかい火入れができる。
スズ引きは油なじみが良いが、200℃ちょっとで溶けてしまうため、高温で使用できず汎用性は
ない。低温でじわじわ火入れする料理、例えばムニエルのような古風なフランス料理には適した
フライパン。今ではフライパンとしてはほとんど使われていないが、高温にしない鍋としてなら
優秀であり、フランス料理店や製菓を中心に今でも使われている。

●ステンレス多層フライパン
ステンレスは一般的な調理器具素材の中で熱伝導、油なじみがともに最悪であり、単板では使い
物にならないため、熱伝導のよいアルミや銅をはさんだり張り合わせたりして補ったフライパン。
使いづらく、目玉焼き一つつくるのに難儀するフライパンである。時間をかけて十分に予熱し、
しっかり油を使うことで回避できる。酸やアルカリに強く、味移りも少ないなどの特性は、鍋としては
優秀で実際に普及率も高いが、フライパンとしては使いづく、あまり使われていない。

●その他
チタンや陶器、耐熱ガラス、などの素材がある。
表面コーティングには、ホーロー(ガラス)、セラミックなどがある。