低温調理で怖いのは菌の増殖であって低温でも長時間なら大丈夫だと思ったら大間違い。
害があるのは菌そのものじゃなくて、菌が出す毒素に害がある。
牛も鶏も生きてたんだから筋肉には無菌状態が普通。
しかし、菌は空気中にいっぱい浮遊している。
人の手でもぺたぺた触る。
そこに菌が付いてそこで温度湿度栄養素があれば増殖する。
その菌が何処まで肉に入り込んだかが問題。
料理としては中心温度が大事だが、殺菌は中心温度よりも表面側の温度の方が大事。
「58℃で1時間半」そこで殺菌が済んだとしても、肉全体が58℃になる前にどのくらいの菌が増殖したかで毒素の量が決まる。
原因菌は40℃くらいは最高の環境になり、爆発的に増殖する。
一度出した毒素は過熱で消える事は無い。ここが落とし穴。
だから例えばローストビーフの場合表面を焼くのは旨味を閉じ込めるなんて言ってるアホがいるが、
あれは表面を殺菌する意味もある。もちろん香ばしさを出すためでもあるが。

豚は菌の他にぎょう虫類がいる場合があるとされてしっかり加熱する事になってるが、今は豚も衛生的に育てられていて、昔ほどじゃない。
だから鶏だって牛肉のように条件がよければ生でも食える。
笹身の鶏わさなんかトロッと甘味があって超旨い。
なかなか出す店が無いのは、条件が難しい。
それだけ原因菌が恐ろしいという事。

58℃で1時間半の前に、高温のオーブンでサッと焼くか熱湯にくぐらすか、バーナーで焼くかして、表面の殺菌はした方がいい。
丸だとフライパンで焼くのは無理。