原理的なことをおさらいしますかね。
 
コンベンショナルな炒飯は、卵液を熱した油に一気に流し込んで乳化させ、
第1硬化した卵‐油コロイドに飯を手早く混ぜこむことで第2硬化を起こしながら
卵‐油コロイドでできたコートをメイラード反応にもっていくと同時に、
飯粒内外の温度差を使って米粒の表面だけを糊化から一気にカラメル反応直前にもっていき、
これらが両立した状態で、最後に塩胡椒で味をつけて完成とするものです。
だからこそ炒飯は米料理ではなく卵料理なわけです。
 
目玉焼きとはまったくちがって米粒を表面だけ糊化させる必要があるため、
反応開始から完成まで1分半から2分という時間的制約があります。
この工程をバラして弱火で両立させるのは難易度がきわめて高いわけですよ。