>>672
低温調理では当初肉を焼くことなくただ下ごしらえした生の肉を真空パックして調理してたんですが
それだと肉を食べた時の満足感の得る要素の一つであるメイラード反応の香気が得られなく
どうしても物足りないという結論になり、結果的に直接表面を焦がしてあとからメイラード反応を得るという方法が一般化したんです

つまり表面を焼くのは「味付け」の一部であって「火入れ」が目的じゃないんです
そこで焼色にグラデーションがおきてしまうのは低温調理ではむしろデメリットになっていて
それを解決する方法はいろいろ試行錯誤されています(焼いた鉄串を押し付ける、メイラード反応の香気成分を科学的に生成してあとから添加するなど)

グラデーションのある火入れを目的とするのと、結果的にやむをえず火入れにグラデーションが起きてしまうのでは全く別物でして
低温調理ってのは分子ガストロノミーのいち分野なので、どうしても起きる誤差は除いて、曖昧な数値を使うのは好ましくないです。

100℃以下で加熱するという意味で食材へのアプローチは似てるのかもしれませんが目的が全く違うので一緒にするのはちょっと乱暴かなと思います