>>686
一般的に言って、Photomic A 用のcds(受光素子・コードデンセル)を含めた
部品が既に入手できないのが大きな要因と捉えています。
その後のFM に於けるGPD (ガリウム砒素燐フォトダイオード)よりは
良いかも知れないですが、SPD(シリコンフォトダイオード)が当たり前の今の時代に、cds を再度
集めるのは至難の業でしょう。そう言う意味からも修理不能なので、中古価格が安価に成ったとも考えられます。

>>689-691
Nikon F2 Photomic AS には暗所撮影機能を付加しなくては成らない使命がありましたよね。
それは宿敵、Canon 旧F-1N にあるブースターファインダーの存在なのです。この時代の
カメラのクセに、ブースターファインダーに交換したCanon 旧F-1は30秒という超暗所撮影が
可能でした。我がNikon F2 は是に対抗して、ご存じのように苦肉の策でセルフタイマーを利用して
10秒の長時間露出を可能としましたが、正直の所、真の意味でこの露出に対処出来る露出計を
搭載したのは、Nikon F2 Photomic SB と Nikon F2 Photomic AS だけです。
特に、Nikon F2 Photomic AS は測光素子にSPD を採用し、Aiレンズにも対応した、当時では唯一最高の選択です。
超暗所撮影30秒を誇るCanon 旧F-1N with ブースターファインダー は測光素子が
大型cds でしたから、かなり反応も鈍いし、安定するまでなかなか正しい数値をはじき出さないのでしたが
SPD を使用していたNikon F2 Photomic AS にはそれなりのアドバンテージが有ったと記憶しています。

Nikon F2 Photomic A は針式露出計で直感的に撮影者が露出の成り行きが分かる良さがあり、とても人気が有りましたが
この針式がくせ者で、超年月経つとかなりの個体で狂いを生じてきます。これはアナログ指針の宿命です。
その点、Nikon F2 Photomic AS は、数個の発光ダイオードの組み合わせで露出を表示するとても稚拙な物でしたが
これは、超暗所撮影を前提としているファインダーなので、こうした発光ダイオードでの表示に拘ったのですが、
発光ダイオードは理論上では、針式露出計のデリケートさから比べると、信じられないくらい狂いにくい物ですので
商品としての寿命は永くなります。 当時最高価格であった F2 が、今でも現役で居られるのですから
中古価格も高額なのは当然でしょう。