>>897
環境保護な人たちというのは一枚岩ではありませんので、オオカミ再導入プランに
ついて、賛成のひとも反対のひともいます。個人的な印象では、圧倒的に反対のひ
とのが多いように思いますけど。

以下個人的見解。
まず社会的見地。
シカによる食害防止、早い話がオオカミにシカを食ってもらってシカの個体数をおさ
えようという観点からは、オオカミの導入は、それなりに効果があると思います。
ただ、しばらくの間はオオカミによる家畜被害やら人的被害やらも出るでしょうし、捕
食獣としてのオオカミと被捕食獣としてのシカとの個体数バランスなどは安定しない
だろうから、結果としてプラスだけではなくさまざまなマイナスも出るだろうという気が
します。そのマイナスを、日本の社会が引き受けられるとは思えません。マイナスを
も引き受けるには、社会的合意が必要だが、その合意はない。
ゆえに、おれは「絶対にやるべきではない」とまでは思いませんが、「決定的に時期
尚早(時期がいつ到来するかはわからない)」と考えてます。
それから、自然保護的見地。
可能性論としては、オオカミ再導入によるシカの個体数抑制というのはあり得るわけ
だが、オオカミの座が空席になってもうだいぶ経つんで、いまオオカミを再導入した
らどうなるかについての詳細なシミュレーションなどが必要でしょう。それはまだ行わ
れていない。また、オオカミとはいえ別種なわけで、導入しちゃっていいのかどうかと
いうあたりにも争いがあります。

なお、アメリカ合衆国のどこかで、オオカミが絶滅したエリアに、別の場所からオオカ
ミを再導入するというプランは実行されてたと思います。もろもろもめごとが起きてる
みたいです。