戦後70年・日本のサイエンス:核燃料サイクル
、実現めど立たず 理由なき「再利用」固執
http://mainichi.jp/shimen/news/20151015ddm016040003000c.html

資源小国の日本は戦後、原発の核燃料を増やしながら再利用する核燃料サイクルを一貫して進めてきた。
だが、計画から半世紀以上たった今も実現のめどが立たない。
12兆円以上の巨費がかかるとされる「回らないサイクル」になぜいつまでも固執するのか検証した。

●資源小国のジレンマ

●「平和」目的に疑念
潜在的な核武装を示唆する発言は政治家からも相次ぐ。
サンデー毎日によると、安倍晋三首相は官房副長官だった02年、早稲田大での講演で
「憲法上は原子爆弾だって問題ない」と発言した。
日本の原子力史に詳しい吉岡斉・九州大教授(62)は話す。
「再処理はもともと軍用技術。核武装への転用が疑われても不思議ではない」

●処分のあてなきごみ
「核のごみの処分場がない」という問題に直面する。
六ケ所再処理工場には、全国の原発から出た使用済み核燃料約3000トンがたまっている。
政府は青森県と「再処理が困難になれば再処理工場の使用済み核燃料を
全国の原発に送り返す」 との約束を交わしている。
全国の原発で使用済み燃料プールは満杯に近づいている。
核燃料の返送は、原発が運転できなくなることを意味する。