バックエンド事業とは

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/WORD/20130123/261691/?rt=nocnt

 原子力発電を行う際の「核燃料サイクル」のうち、原子燃料製造や発電所運転
は一般に「フロントエンド事業」と呼ばれる。一方、放射性廃棄物の処理や使用
済み燃料の再処理、原子炉の廃炉事業に関しては「バックエンド事業」と呼ばれ
る。ここでは、原子炉の廃炉事業を除くバックエンド事業のコストについて、世
の中に様々な数字(11兆円、19兆円、42兆円)が飛び交っているため、簡単に解
説することにしたい。
まず、11兆円や19兆円という数字の出典を明らかにしよう。電気事業連合会が
2003年11月に、経済産業省(電気事業分科会 第4回コスト等検討小委員会)に提
出したものである。そこでは、青森県の六ヶ所村に建設している再処理工場
(2015年10月に竣工予定)を40年間にわたって稼働させるための建設費と操業
費、同工場の廃止に必要な費用が、合計11兆円と見積もられている。

 ただし、この数字には前提条件があり、六ヶ所村の再処理工場で再処理される
予定の使用済み核燃料は、2004年度までに生じている1.4万トンと、2005年度〜
2036年度までの30年間に生じる分の「一部」である1.8万トンの合計3.2万トンと
されている。この3.2万トンの使用済み核燃料を40年間かけて再処理しようとい
う計画がベースとなっているのである(年間800トンの再処理能力)。