この数週間市場を賑わせたのは、米国市況についての話題でした。
米国を襲った寒波は米国内市況のLPガス高騰を招き、日本到着価格で比較した場合、中東玉より米国玉の価格が上回りました。
さらに、米国では輸出にまわすLPGの一部を自国内に配分したため、一時、全世界でLPGの品薄感が強まり、極東(日本、韓国等)市況高騰への懸念すらささやかれました。
しかし、極東勢のほとんどがスポット調達を見送ったために市況は落ち着き、むしろ下落している状況です。
米国市況が落ち着きつつある現在、市場の注目は再び極東にもどりつつあります。
一方、先日発表された中東産ガス国からのアクセプタンス(積日通知)では、数量の削減や大幅な積みの遅れなどの大きな混乱はなく、供給については大きな懸念がない状況です。
こうした市場環境を市況も反映し、3月CP先物は$900/トン前後、4月CP先物は$860/トン前後で推移しています。
フレート市況についても、僅かにインド勢による追加のスポット需要があるのみで、他に主だった需要がなく、バルチック指数は1月半ばよりジリジリと続落し、船主にとって運転費用をぎりぎり賄える水準となっています。
今後の見通しは、極東での需要動向次第と言えますが、日本の各社はスポット調達を見送ったことから在庫レベルは低く、購買の先延ばしにもそろそろ限界が見えている状況です。
各社が一気に購買に走ると、市況が高騰してしまう可能性があります。
この場合、フレート市況も同時に高騰することが予想されます。
インド勢の購買行動(石油化学からの新規需要など)にも注意が必要で、春が来るまで、まだまだ予断を許さない状況が続くでしょう。