日本の地熱発電技術、世界一から滑り落ちる危機発電量が安定、コストも安いのになぜ二の足踏むのか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38575

 何しろ、日本は小さい国土ながら地熱の資源では世界有数の資源国なのである。
日本の地熱発電研究で第一人者である弘前大学の村岡洋文教授(北日本新エネルギー研究所長)によれば、
地熱資源量が最も多いのが米国の3000万キロワット。

 次いでインドネシアの2779万キロワット。
これに次いで日本は世界第3位。2347万キロワットもの資源を有する。
4位以降は一気に資源量が激減して、4位フィリピンとメキシコが600万キロワットでしかない。

 米国の陸地面積が963万平方キロで日本(38万平方キロ)の約24倍、
インドネシアの陸地面積は191万平方キロで日本の約5倍であることを考えると、
地熱資源の密度はこの2つの国を圧倒する。

 しかし、前回書いたように日本は原発一辺倒にエネルギー政策の舵を切ったために、
この豊かな資源をほとんど開発してこなかった。
その結果、今や人口がわずか32万人のアイスランドよりも地熱発電量は少ない。

 太陽光や風力など安定しないエネルギー源と違って、地熱は常に一定の電力が得られるという大きな強みもある。
地熱発電への関心は少しずつ高まっているが、もっと大々的に取り組んでもいいのではないか。

 第1回で触れたように、世界初で非常に高効率な地熱発電が日本に誕生する可能性があり、
それはまた、付随する産業を刺激して育てる可能性が高い。