巷間の自然エネルギー論者の主張にはミスや破綻が散見される。今日、われわれは国全体としてCO2の排出をどう削減し、どう持続可能社会へと移行していくのかという課題を抱えている。
社会がなぜCO2を排出するのかといえば、答えは「化石燃料を使用しているから」である。よって、この問題は約4兆kWhに及ぶ最終エネルギー消費全体に被ってくる。
CO2の排出を本格的に削減するには、化石燃料の使用をやめて電力とバイオ燃料に乗り換えていく以外にない。つまり、国としてのオール電化や準オール電化の進行が対策となるので、どうあがいても電力需要は増えていくのだ。

だが、今言ったように、巷間の自然エネルギー論者たちは社会全体でのCO2削減と脱化石エネルギーを訴えながら、一方で将来の電力需要は減っていくという甘い予想をしている。
あるいは、「四分の一パート」にすぎない電力フレームだけを念頭に置いて自然エネルギー社会への移行を訴え、「四分の三パート」の存在を失念してしまっている。
この点に限っていえば、まだ原発推進派のほうが現実的だったと言わざるをえない。彼らは脱化石・脱CO2によって電力需要が急速に増えていくと予測し、それを原発の増設で賄うことを考えていた。
彼らの主張は、少なくとも巷間の自然エネルギー論者たちのように矛盾してはいなかったのである。

http://agora-web.jp/archives/1434477.html