風力発電拡大に落とし穴、大規模な送電網脱落事故で―中国
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0601&f=column_0601_012.shtml
「低電圧穿越」。英語ではLow Voltage Ride-Through(LVRT)。日本語にすれば「低電圧を乗り切る」といったところか。
中国の風力発電業界では、LVRTに高い関心が集まっている。
  きっかけは、2月24日に発生した風力発電所の大規模な送電網脱落事故だ。甘粛省の中電酒泉風力発電有限公司
の橋西第一風力発電所の「35B4スイッチセルC相」のケーブルヘッドが故障し絶縁破壊が起こり、三相短絡に至った。
これによって、同発電所内の274基の風力発電ユニットがLVRT機能を備えていなかったため解列した。
  多数の風力発電ユニットが解列した後、同発電所では自励式無効電力補償装置を備えていなかったため、電圧が
急上昇し300基の風力発電ユニットで電圧保護が働き解列した。また、これ以外にも24基で周波数保護が働き解列した。
結果的に合計で598基の風力発電ユニットが解列した。解列した合計設備容量は84万kWで、酒泉地区の風力発電ユニッ
トの合計設備容量の54.4%を占める。これによって、西北電網の主幹線の周波数は事故前の50.034ヘルツから49.854
ヘルツに低下した。
  甘粛瓜州協合風力発電有限公司の干河口西第二風力発電所でも4月17日、最初に25基が解列したあと97基が解列。
これと同時に、LVRT機能を備えていなかった536基が解列した。また、自励式無効電力補償装置を備えていなかった44基
で電圧保護が働き解列した。解列したユニットは合計で702基、設備容量は約100万kWに達した。
  同じ4月17日には、河北省張家口でも解列事故が発生した。LVRT機能がない334基の風力発電ユニットが系統電圧の
低下とともに解列した。その後、自励式無効電力補償装置がない295基で電圧保護が働き解列した。解列したユニットは
合計で644基・85万4000kWに達した。これは、張家口地区の風力発電所の合計設備容量の48.5%に相当する。
多数の風力発電ユニットの解列によって、華北電網の主幹線の周波数は50.05ヘルツから49.95ヘルツに下がった。