原発はひとたび事故が起きると、被害は甚大で、多岐にわたり、取り返しがきかない。
こういった被害は避けないといけない。
そして、日本でもう一度原子力災害が起きれば、
もはや要因は天災だろうと人災だろうと関係なく
日本は世界から信用されなくなる。

原発が稼動しなくては電力需要が賄えない、あるいは電力料金が上がり、企業が海外流出してしまう・・・
という懸念で原発を使うしかないと考える経済論があるが、
今のタイミングで原発を再稼動し、日本の経済最優先主義を世界に喧伝すれば、円高はますます進行し、
輸出産業企業は海外での生産をしなければ競争できず、技術と産業と雇用の流出となるだろう。
そして円高は産業と観光の衰退を招き、日本経済をどん底まで下降させる恐れがある。

従来の原発はストレステストをされればアウトだ。
もともと、大災害に対応するように考えられていない。
地震対応でさえ、敷地内を強固にするのがせいぜいで、外部電源や被災対応、避難経路などがさっぱり。
慌てて津波対策をやろうとしているが、検討されていなかった活断層が見つかるケースもあり、
万全な対策を揃えるには何年もかかる。

輸入に頼っている化石燃料・核燃料はいずれ入手できなくなる。
はたしてそのときまでに、どんなエネルギーによって日本を支える準備ができているか。
それを考えるのが責任ある日本人だろう。