かつての論争で電力会社側が主張したように、
送電網の分離によって電力のコントロールがむずかしくなり、
電圧や周波数の変動が大きくなるかもしれない。
今はほとんどの利用者が停電の心配をしないで使っているが、
アメリカのようにしょっちゅう停電があると、
精密機械や半導体などは不良品になってしまうので、
自家発電や無停電装置が必要になる。

日本の電力品質はきわめて高く、
停電時間は年間9分と世界でもっとも短い。
これに対してフランスは57分、アメリカは73分である。
こうした品質低下を許容すれば送電網の分離は可能だが、
品質にうるさい日本人が停電を容認するだろうか。