IRSN による3 月22 日迄に福島第一原子力発電所から放出された放射能の見積もり評価発表 22/03/2011

福島第一原発事故による空気汚染のレベルを評価するために
IRSNでは3月12日-22日間に事故のあった3つの原子炉から放出されたであろう
放射能量の評価を優先的に行いました。
この評価は、日本政府、又はIAEAから送られてくる情報の解釈と
現場での測定結果を合理的に過大評価した上で、
現実に近い放射線放出量の見積もりを与えるものです。

評価は現時点で得られている以下の情報に基づいて行われました。
● 問題のある3つの原子炉の状態の評価(状況、冷却システムの状態の理解)
● 冷却不十分な燃料の挙動についての IRSN の研究に基づく知識
● 日本当局から提供された過圧による原子炉格納容器の劣化を防ぐために意図
  的に実施された蒸気開放に関する情報
評価結論の信頼度は拡散モデルで計算された大気放射能汚染量と
日本国内で測定された放射能との比較から裏づけられています。
また、ETSON (欧州安全組織機構)加盟機関、及び
US/NRC(米原子力安全機関) 、STUK(フィンランド原子力安全機関)との意見交換もされています。
圧力開放にともなう放射能放出は、燃料棒の大きな損傷に伴い
最も早く放出される放射性元素(希ガス、ヨウ素、セシウム、テルル等)です。
この段階では計算の簡略化のために、通常使用済みの燃料にみられる核種比率を適用し、
より重大な放射線の影響の及ぼす放射性元素のみを対象としました。