http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=aYhoszaeHTgc

  米パーデュー大学のダニエル・アルドリッチ教授(政治学)は、
「国民の支持がない中だと6基すべての廃炉を余儀なくされる可能性もある。
残りの2基を救おうと思えば、国民の支持を得なければならないが、
それは難しいだろう」と語った。

  東電の広報担当、松本直之氏は29日、福島第一原発の事故対応に専念しており、
同原発の将来についてはコメントできないと述べた。

  日本の原子力当局は福島第一原発の事故を国際原子力エネルギー機関(IAEA)の
原発事故基準で7段階のうち5に位置付けている。
1段階上がるごとに事故の深刻度は10倍になる。

  1979年に起きたスリーマイル島事故では、原子炉1基が一部溶融し米原子力史上最悪となり、
5に位置付けられた。世界原子力協会のウェブサイトに掲載されているリポートによると、
修理と洗浄に12年、9億7300万ドル(約800億円)かかった。
洗浄作業には1000人以上の作業員が携わった。

  日本エネルギー経済研の村上氏は、日本の力だけで行うとすれば、
福島第一原発の廃炉には約30年かかるとの見通しを示した。

  日本原子力発電は98年に32年の運転を終了した茨城県東海村の原子炉を
廃炉にする作業を開始した。作業完了予定は2021年で、費用は885億円。
01年6月まで3年かけて原子炉を安定させ核燃料を炉心から除去した。

  日本原子力発電に13年間勤務し東海村の原子炉廃炉にも携わった村上氏は
「東電が4基の原子炉を廃炉にするのは議論の余地がないことだろう。
費用はおそらく1兆円を超えるだろう。
損傷した燃料棒を原子炉から除去するのにも2年以上かかる。
作業がずれ込めば費用も増加する」と予想した。