まず前提として、気密はとうに失われていると考えるべき。
さらに、水素というのは、ただでさえ封じ込めが困難な気体なので、盛大に漏れ出る。

通常運転時でも放射線によって水素は生じるけれど、
今回の1F-1および1F-3の水素爆発に関しては、規模や、燃料棒の過熱といったことから、
ほぼ間違いなく、高温になった被覆管が水を還元して生じたものと見ていい。

圧力容器は、内圧が上がると自動的に格納容器内に圧を逃がすルートがあるので、
このルートにより、圧力容器から格納容器内へと水素を含む水蒸気が多量に流出。
すでに格納容器は、蒸気を逃すため、ラプチャーディスクをやぶって排気塔へと蒸気を逃していたが、
度重なる地震や、設計限界ぎりぎりの高温高圧に晒され、さらに多量の冷却水(真水・海水)による冷却など、
極めて大きなストレスに晒されており、特に配管のあちこちで破損が生じているのは想像に難くない。
これらの破損から、先ほど示した水素を含む多量の水蒸気が漏れ出し、
建屋内に充満し、水素爆発を起こした。


公式見解をもとに、情報を整理し、常識的に考察すればこのシナリオしか無いと思う。