政府系ファンドの産業革新機構、風力発電のゼファーに10億円を出資

 政府系ファンドの産業革新機構(INCJ)は,小型風力発電機を手掛けるゼファーに10億円を
出資すると発表した。INCJが投資を公表するのは,2010年3月のアルプス電気系・子会社への
出資に続いて2件目となる。INCJの出資を受けて,他のベンチャー・キャピタルもゼファーへの
追加出資を検討しているという。

 INCJは,経済産業省が中心となって2009年7月に設立した株式会社形態の政府系ファンドで
ある。政府が「財政投融資特別会計・投資勘定(旧・産業投資特別会計)」から820億円を,
民間企業約20社が計100億円を出資している。さらに,これらの出資金に加えて,同機構の
民間金融機関からの借り入れに8000億円までの政府保証も付与されている大型のファンドである。

 ゼファーの現在の資本金は,2億6000万円。野村証券,日本アジア投資,三菱UFJキャピタル
などが出資している。INCJは今後,ゼファーの海外展開,新製品開発などを支援していくという。

(日経エレクトロニクス 進藤智則)

[Tech-On! 2010年5月10日掲載]