なぜ多くの人が気候変動の脅威から目を背けるのか?
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2671040/4993731

人類の活動が原因で気候変動が進み、地球規模の災厄が降りかかろうとしていることを示す証拠が
次々と示されている一方、気候変動の脅威は誇張されているとか、まったくのうそだと言う人も
相変わらず多い。

 例えば、英国で11月14日に発表された世論調査結果では、人類の活動が地球温暖化の原因に
なっていると回答したのは41%だけだった。

 なぜだろうか。

■快適な生活を捨てたくない

 ロンドン大学(University of London)の哲学教授で著書も多いアンソニー・グレーリング
(Anthony Grayling)氏は、「現在の快適な生活をあきらめたくないという気持ちがある」
と指摘する。このような傾向は欧米だけでなく、近年中間所得層が増えた中国、インド、ブラジルの
ような国々にもみられるという。

 米イリノイ(Illinois)州のノックス大学(Knox College)のティム・カッサー(Tim Kasser)
教授(心理学)は、気候変動という現実はわれわれのアイデンティティと衝突すると話す。

「わたしたちは1日に何千回も、主に広告を通して、幸福で有意義な人生を送る秘訣は消費すること
だと聞かされてきた。ところが最近になって科学者や環境活動家が、過剰な消費や間違った消費が
温暖化の原因の一部だと言い始めた」