「環境のまち」構想着々…梅田北ヤード 2期開発
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco/news/20100107-OYO8T00335.htm

 都心に残る西日本最後の一等地とされるJR大阪駅北側の梅田北ヤードに、関西に集積した
環境関連の技術や知識をビジネスに発展させ、アジアに発信する「知の拠点」を整備する構想が
固まった。約10年後の街開きを目指す2期開発区域に設ける方針で、大阪市や関西経済連合会など
でつくる大阪駅北地区まちづくり推進協議会(会長=平松邦夫・大阪市長)が、2010年度にも
具体的な構想を打ち出す。環境配慮型の球技専用スタジアム構想も急浮上し「環境の2期」を
前面に出して開発に弾みをつける考えだ。

 協議会の下部組織として産学官でつくる「2期開発ナレッジ・キャピタル企画委員会」
(委員長=西尾章治郎・大阪大副学長)は、2期区域の中核施設として、環境をテーマにした
知の拠点「環境ナレッジ」と、関連技術を具体化する「実証フィールド」を整備する構想を固めている。

 優れた環境技術をアジアに移転するため、各国市場を分析して事業モデルを立案する
「技術移転エンジニアリング機構」、環境技術の基準作りを進める「国際標準化推進機構」などの
開設を目指す。国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で提案された
「気候変動技術革新センター」の誘致も検討する。

 また、アジア各国から留学生を呼び込み、新技術に明るく、国際的な交渉力を持つ人材
「環境エリート」を育てる仕組みを整える。

 旧国鉄の未処分地・梅田貨物駅の跡地である梅田北ヤードは、24ヘクタールに及ぶ再開発地だ。
3月に着工する7ヘクタールの先行開発区域(1期)には、関西に関連企業や大学が集まる
ロボットや映像をテーマにした「知の拠点」を整備し、12年度下期の街開きを目指す。