宇宙の太陽光ステーションから地上に電力供給、日本が2030年実現目指す
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2662176/4869903

宇宙空間で太陽光エネルギーを集めて、レーザーか電磁波で地上に伝送するシステムを2030年までに
実現したい――SFのように聞こえるかもしれないが、日本の宇宙開発当局は大まじめだ。

 無限のクリーンエネルギーを生み出すことのできるこの計画、「宇宙太陽光利用システム
(Space Solar Power Systems、SSPS)」の実現に向けて、日本政府は協力企業を選出し
研究者たちを集めたところだ。数平方キロメートルにわたって太陽光パネルを敷き詰めた
装置を大気圏外の静止軌道上に乗せるこの計画は、太陽光発電の先進国、日本がこれまでに
発表した中で最も大胆な計画だ。

 太陽光パネルは、宇宙空間では地球上よりも少なくとも5倍強い太陽光エネルギーを
とらえることになる。宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration Agency、JAXA)の
滝谷忠繁(Tadashige Takiya)広報担当によれば、集められた太陽光エネルギーは、レーザー
または電磁波のビームで地上に伝送され、海やダム貯水池などに設けた立ち入り禁止区域に
設置された巨大パラボラアンテナで集められるという。

 研究者は、中規模の原子力発電所の発電量に相当する1ギガワットの発電能力を備え、
キロワット時毎時8円で発電する装置の開発を目標にしている。その発電コストは
国内における現在のコストの6分の1になるという。

 宇宙へ装置を移送することも含めて、この挑戦は途方もなく壮大にみえるかもしれないが、
日本は1998年からこの計画を進めており、JAXAの監督のもと130人の研究者が研究を続けている。