石油ピークは食糧ピークであり文明ピークでもある
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0415&f=business_0415_003.shtml


 【車社会を徹底して見直すことが大事】

 地球資源は有限であり、また自然にも限りがあることを現代人が理解することは至難のようである。持続的な
経済発展と幾何級数的な成長を当然視する現代の工業化社会は際限なく地球からエネルギー・資源を収奪するこ
ととなる。その結果、増大するである廃棄物、ゴミなどは自然を地球規模で破壊している。気体のゴミが二酸化
炭素であり、地球温暖化の元凶とされる。この意味で地球温暖化も現代社会の「浪費の結果」の一つ、その根本
対策は「脱・浪費」しかないのである。

 この浪費を支える石油需要に供給が追いつかなった。そのことを「石油ピーク」と呼ぶ。その事態はすでにも
う来ている。脱石油文明は原理的に20世紀の象徴、膨張の逆を行くしかない。この脱・浪費には、まず無駄をし
ないことである。いうまでもなく無駄とは要らないということ、脱・浪費は生活水準の低下ということを意味す
るわけではない。欧米、特にアメリカ型の大陸で育った浪費型の文明を追従するのはもう止めにしたい、これは
グローバリズムに振り回されないという意味でもある。

 日本のエネルギー消費は、1970年頃は今の半分程度でしかなかった。人口も今より少なくほぼ1億人、食料自
給率も60%以上あった。そして心は豊であった、といるのではなかろうか。これを目標とすることはいかがであ
ろうか。少子化は悪いことではないし、石油ピークを機に人口減を日本生存のむしろチャンスと考えたいもので
ある。

 石油ピークは、車、船、航空機などの運輸システムを直撃する。石油が常温で流体だからだ。それも石炭液
化、水素などと思わないこと。まずは車社会を徹底して見直すことが大事である。幸い欧米と比較するとまだ
残っていると思われる「日本の鉄路」を再認識したい。つまり公共運輸機関を整え都市の構造を再構築すれば、
地方の活性化、分散社会に通じよう。つまり地方分散を日本の新しい発展の契機とするのである。