温室ガス削減で光熱費年3万円増…それでも「不十分」の声
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090611-OYT1T00062.htm

「これは我々の地球を守るコストです」。

10日発表された日本の2020年までの温室効果ガス削減目標で、麻生首相は
家計に相応の負担が必要と力説した。政府の試算では、現在の省エネ努力を継続した
場合に比べて、20年には1世帯あたり年間約7万6000円の負担増になるという。
「低炭素革命で世界をリードする」と強調した麻生首相だったが、環境団体は
「世界を失望させるもの」と批判した。

試算は、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出すガソリンや石炭などの化石燃料に、
排出量に応じて「炭素税」を課税したと仮定。例えば、ガソリン1リットルあたり
約30円の上乗せとなり、化石燃料を大量に使う製鉄所などは生産の縮小に向かう。
労働時間の短縮などで家計の可処分所得は年間約4万3000円減り、逆に、燃料費
の値上がりで光熱費は年間約3万3000円増える計算になる。

一方、企業の省エネ推進と、国民のエコ意識の高まりで、ガス排出量は05年比で
15%減る。これが試算の描く将来像だ。