トヨタ,プラグイン・ハイブリッド車は“いいとこどり”
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090515/170184/

 トヨタ自動車の欧州現地法人であるToyota Motor Europe(TME)は,プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)が
短距離走行に向く電気自動車(EV)と,長距離走行に向くガソリン車のそれぞれの長所(best of both world)を
持つ,“いいとこどり”のシステムであると述べた(図1)。このためPHEVが「ネクストハイブリッド車」(TME,
External Affairs, Senior Vice PresidentのGraham Smith氏),つまりハイブリッド車の次に来る電動車両になると
みている。電動車両のシンポジウム「EVS24」(2009年5月13〜15日,ノルウェー)において,TME, External
Affairs, Senior Vice President Graham Smith氏が講演した。

 同氏は,PHEVにはEVをベースにする仕組みと,ハイブリッド車(HEV)をベースにする仕組みの2種類があり,
後者に注力する方針を示した(図2)。HEVをベースにすれば,エンジンを前提としないEVと比べて電池を小さくし
やすく,最適なPHEVを開発できるという。

 これに併せて,PHEVが普段の運転に向くとするフランスでの実験結果を披露した。実験は同社のPHEVを使うユー
ザーの燃費や走行距離を測定するというもの。期間は2007年11月〜2008年6月で,フランスの電力公社(Electricite
de France:EDF)と共同で実施した。この結果,1回の走行距離が25km程度であれば,ガソリン車と比べて燃費が
約60%改善されるという(図3)。走行距離25kmというのは,80%のユーザーが1回で走行する距離に当たる(図4)。
図3 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090515/170184/France_1.jpg
図4 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090515/170184/France_2.jpg

 将来的には,PHEVのエンジン用にバイオ燃料を使い,家庭に設置した燃料電池で発電した電力をPHEVに充電すれば,
「究極のゼロ・エミッション」(Graham Smith氏)が実現できるとする。ただし,well-to-wheel(原料製造時から
車両走行時まで)で見たときのCO 2排出量は,現状ではハイブリッド車が優れるとの見解も示した。