東ガス・大ガス 発電事業着々 対電力、エネルギー戦争本格化
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200904090019a.nwc

 東京ガスが、新日本石油とともにガス火力発電所の運転を始めたのに続き、大阪ガスも単独で発電所を立ち上げ、
2000年の電力小売り自由化以降にスタートしたガス会社による発電事業が本格化している。発電、電力販売事
業で電力会社に勝負を挑んだ格好で、迎え撃つ電力会社も、発電燃料として購入した液化天然ガス(LNG)販売
を強化する。電力、ガス双方が互いの分野に乗り入れ、事業拡大をめざす「エネルギー戦争」の様相を呈してきた。

 ≪石油各社と連携≫

 東京ガスは、新日本石油とともに川崎天然ガス発電を設立し、昨年4月と10月に、川崎市で計80万キロワッ
トのガス火力発電所の運転を始めた。昭和シェル石油とも扇島パワーを設立しており、来年3月以降、横浜市鶴見
区扇島で、40万キロワットのガス火力発電所3基を順次稼動させる方針だ。

 06年までに立ち上げた2カ所の小型ガス火力発電所と合わせ、234万キロワットの発電体制が整う。また、
工場内の未利用温水(90度程度)を160度の蒸気に変換し、有効活用できるシステムを荏原製作所などとも開
発しており、工場でのガスの活用を進めたい考えだ。

 一方、今月から泉北天然ガス発電所の2号機(27万7000キロワット)の運転を開始した大阪ガスは、年内
に1、3、4号機も稼働し、計110万9000キロワットを発電する。さらに、米国で行っている海外の発電事
業を充実させ、年内に達成される国内外300万キロワット体制を、20年度に国内外の発電量を400万〜
450万キロワット規模にまで拡大する。

 09年度に20億〜30億円規模の電力事業の営業利益を20年度には200億円規模にし、「ガス事業に次ぐ
収益部門にする」(尾崎裕社長)意向だ。