電力各社、プルサーマル計画見直し検討…一部実施延期など
6月4日3時11分配信 読売新聞

電力業界が、国の原子力政策の柱で、使用済み核燃料を再利用する「プルサーマル計画」について、実施時期などを大幅に見直す検討に入ったことが3日、分かった。

2010年度までに16〜18基の原発で実施する当初計画に対し、原発を抱える地元自治体などの理解が得られていないためで、一部原発での実施時期の延期などが検討されている。

プルサーマルは、ウランと使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを混ぜたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使って既存原発で発電し、資源小国・日本のエネルギーを安定的に確保する狙いがある。
1997年に策定された計画では、2010年度までに16〜18基の原発でMOX燃料を使った発電を始める計画だった。
ところが、02年に発覚した東京電力のデータ改ざん問題など相次ぐ不祥事で、信頼が揺らいだままになっている。

電力各社は、計画を実現させる姿勢を崩していなかった。しかし、2日の政府の原子力委員会で、近藤駿介委員長(東大名誉教授)から、計画が実態とかけ離れているとの指摘を受け、見直しを余儀なくされた。
最終更新:6月4日3時11分