原発の廃棄物処理施設で発煙 茨城・東海村
10月11日8時4分配信 産経新聞

10日午前6時35分ごろ、日本原子力発電・東海第二発電所(茨城県東海村白方)の廃棄物処理施設内で、白い煙が上がっているのを、運転者が見つけ、運転責任者が消防に通報した。
煙は午前9時55分ごろには消え、東海村消防本部が午後3時25分ごろ、火災でなかったことを確認した。
施設の稼働は遠隔操作で行っているためけが人はなく、放射能漏れもないという。

同社によると、発煙現場は、同発電所などで不要になった金属などの不燃廃棄物(低レベル放射性多廃棄物)を約1500度の高温で溶かし、容量を減らす施設内。
溶かした廃棄物を冷ます「冷却室」(約30平方メートル)に煙が充満した。

同社によると、溶かしてセラミック製の容器に流し入れた廃棄物を、昇降機に乗せて冷却室に運ぶ際、
着座した容器から廃棄物が飛散し、床の耐火材に塗られた塗料が蒸発したらしい。

容器を遠隔操作で運んでいた運転員は「いつもより容器が降りるスピードが速かった」と話しており、昇降機のトラブルが原因とみられる。
昨年秋ごろの自主検査では、昇降機に異常はなかったという。

同社は設備の稼働を休止。冷却室の温度が下がるのを待って、原因を詳しく調べる。
原子炉は停止せず、発電を続けている。
最終更新:10月11日8時4分