ガソリン高止まりの離島へ切り札 海藻から水素エネルギー
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081112-00000037-fsi-bus_all

海中を漂う海藻をバイオ資源として活用する動きに注目が集まっている。中でも、海藻をバクテリアが
分解し水素を取り出し、環境にやさしい水素電池の燃料として活用する「海藻水素発電」の実現に期待が
高まっている。輸送コストがかさむことで、ガソリンなど燃料価格の高止まりに苦悩する離島にとっては、
エネルギー問題の打開策につながりそうだ。

【写真】1島まるごと…隠岐・海士町の小さな無人島が話題に

 今年10月、島根県隠岐諸島にある海士(あま)町で開催された海藻資源の活用策を探るシンポジウム。
横浜国立大教育人間科学部の谷生重晴教授はコンブやワカメを沖合で養殖し、バイオマス燃料として活用
するアイデアを提案した。

 海藻水素発電はコンブやワカメなどに含まれるマンニトールという糖アルコールの一種を原料として
活用する。バクテリアによってマンニトールを発酵させ、水素を取り出す仕組みだ。これによってコンブ
1トンからガソリン24リットル分に相当する水素が、水素自動車用燃料として生産できるという。

 人口約2200人の海士町では、この研究をもとに、町のエネルギーを海藻水素発電によってまかなおう
という実証実験が始まろうとしている。計算上では、約5平方キロの海藻養殖場で、同町全世帯の電力を
カバーできるという。