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グローバル社作業員被ばく:報告は6時間半後 保安院、社長に厳重注意 /神奈川
7月11日12時2分配信 毎日新聞

核燃料の加工作業中に微量の放射性物質のウランが飛散する事故が発生し、男性作業員(23)が被ばくした「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」(本社・横須賀市内川2)。
作業員に健康被害はなく、重大事故には至らなかったものの、経済産業省原子力安全・保安院への報告は発生の6時間半後。
米原子力空母の配備を控える横須賀にとって、不安を残すことになった。
同社によると、事故の発生は9日午前5時25分ごろ。核燃料の原料となる「二酸化ウランペレット」を製造する過程で、ウラン粉末を流し込む金属製パイプ(長さ約5メートル)からウラン粉末約8グラムが飛散した。
パイプの真ん中付近にあるふた(直径約15センチ)を清掃後に閉め忘れていたという。
室内には放射性物質の濃度を計るセンサーがあり、警報が鳴ったため飛散に気づいた。同社員は「ふたが開いていたのは長くても30分間ぐらいだろう」と話した。
同社は午前8時45分ごろから独自に検査を実施。事故報告の一報を地元の横須賀原子力保安検査官事務所に連絡したのは正午前と遅れた。
さらに、独自検査で放射能量は国への報告の目安値37万ベクレルを超える99万ベクレルと判明し、報告したのは同日午後9時過ぎとなった。県や市役所への報告もさらにその後になった。
同社は「大して飛散していないだろうと高をくくってしまった」と釈明している。
一方、保安院は「とにかく一報を迅速にすべきだ。飛散量の計算なども暫定的なものでよかった」として、10日に梅原肇社長を呼んで口頭で厳重注意した。
梅原社長は「連絡がかなり遅れたことは申し訳なかった。従業員教育だけでなく、安全システムの再構築を図りたい」と話した。
同社では75年、3・5キロと2・8キロのウラン飛散事故2件が起きているが、被ばくした人はいなかった。【吉田勝、写真も】
7月11日朝刊 最終更新:7月11日12時2分