かすむ試験完了「ガラス固化」再開後もトラブル
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/11/20081109t23018.htm


 使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)で進む高レベル放射性廃棄物のガラス固化試験は、
10日で再開から1カ月たつ。事業者の日本原燃は、試験を中断に追い込んだガラス溶融炉下部の
ノズルの詰まりを克服したものの、炉底に希少金属がたまる中断前からの不具合に、また足を取ら
れている。事態は半月を費やしても好転しておらず、このままでは国産技術の根幹に「黄信号」が
ともりかねない。


<宣言した直後に>
 「11月末に試運転完了とお話ししてきたが、厳しくなってきた。もう少し続けないとならない
試験項目がある」
 原燃の児島伊佐美社長は10月31日の定例記者会見で、唐突にこう語り始めた。原燃は4日前
に「炉の性能確認は終えた」と宣言し、国に報告書を出したばかり。再処理工程で唯一、国産技術
が導入されたガラス溶融炉に、いったい何が起きているのか。
 トラブルの原因は、「不溶解残さ」と呼ばれる使用済み核燃料のせん断で出る金属かすや、核燃
料の溶け残り。発生量が少ないためこれまで炉に入れてこなかったが、投入し始めた後の10月2
6日から希少金属のたまりがひどくなり、溶融ガラスの粘り気が増大。ノズルから専用容器に流れ
にくくなった。