オゾン増大で穀物減少も=温暖化に拍車−英研究チーム
7月26日12時1分配信 時事通信

【ワシントン25日時事】自動車や工場の排ガスなどによって地表付近のオゾンが増加すれば、植物の二酸化炭素(CO2)吸収能力が減退して地球温暖化に拍車を掛け、この悪循環の中で穀物生産も減少する可能性がある−。
英ハドレー気候研究センターやエクスター大学などのグループは25日、こんな研究結果を科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。
米先端科学振興協会の論文要約によると、研究チームは、産業が急速に近代化した1850年以降、地表付近のオゾンは2倍に増えていると試算。
研究の中心メンバーであるスティーブン・シッチ博士は「従来の気候変動モデルは、オゾンの増加をもたらす大気中の化学物質と温暖化の因果関係をおろそかにしてきた。
しかし今回の調査で、地表付近のオゾンの増大が温暖化を助長する可能性を突き止めた。
これに加えてオゾン増大は植物の成長も阻害すると考えられる」と指摘した。