国連本部 完成から55年…老朽化進み大修理計画も
11月23日10時27分配信 毎日新聞

ニューヨーク・マンハッタン島のイースト・リバー沿いにそびえる国連本部ビルの老朽化が著しい。
完成から55年、輝く外観とは裏腹に内部は雨漏りするほどで、大修理の計画も進んでいる。【ニューヨーク小倉孝保】
地下にある国連有線放送のモニター室では数年前から雨漏りが激しくなり、最近は登山などで雨水を集めるのに使う特製ビニールシートを天井からつり下げて対応している。
ビル修理計画を担当する国連職員、ウェルナール・シュミットさん(46)は「国連職員の創造力は素晴らしいでしょ」と苦笑するほどだ。
国連ビルは地上40階、地下3階、床面積は約22万5000平方メートル。大富豪のロックフェラー家から寄付された敷地(当時で約800万ドル)に6500万ドルの費用をかけ、1952年に完成した。
第二次世界大戦後にマンハッタンで建設された最初の最先端ビルだった。
45年10月の設立時の加盟国は51カ国。シュミットさんによると、ビル建設時は加盟国が75カ国に増えることを想定していた。
しかし、現在の加盟国は192と想定の2.5倍以上に。ビル内で開く会議数も年8000回と想定を11倍上回る。