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CATSの小型ロケットは、10?数百キログラムの衛星用機器を、5?分間の宇宙旅行に運ぶ。

たったこれだけではたいしたことないと思えるかもしれない。
だが、このような「ミニ飛行」でも、天文学者その他の研究者は、地球の大気というぼやけた窓にじゃまされずに宇宙を垣間見ることができる。
また、無重力状態を必要とする実験をしたい科学者にとっては、貴重な微重力の瞬間を提供してくれる。

NASAの観測ロケットの打ち上げには、500万ドル――各ロケットが宇宙に運ぶことができる小型機器1つにつき少なくとも20万?万ドル――もの費用がかかり、
ロケットへの搭載の順番待ちリストは3年先まで埋まっている。

CATSコンテストの参加者は、このどちらの状況も改善できると言う。

米JPエアロスペース社のジョン・マーチェル・パウエル氏は、CATSのコンテストに参加を表明し、10月7日にネバダ州のブラックロック砂漠でロケット打ち上げを予定している。
パウエル氏は、高度130キロへの打ち上げなら1回につき5万ドルで採算が取れ、NASAを利用する場合のような長い順番待ちなしで実現できると確信している。

「われわれの真の目標は、オンデマンドのサービスだ」とパウエル氏。「誰だって、すぐに飛び立てるロケットがあれば、長々待ってはいたくない」

カリフォルニア州モハーベの米インターオービタル・システムズ社のランダ・ミリロン氏は、バンデンバーグ空軍基地の240キロ西に位置する太平洋上のトロール漁船からのロケット打ち上げで賞を狙っている。
ミリロン氏によれば、インターオービタル社は同社の『タキオン』という観測ロケットの顧客をすでに確保しているという。

JPエアロスペース社と同様、インターオービタル社も観測ロケットは最初の一歩にすぎないと考えている。
パウエル氏の構想では、JPエアロスペース社は5年以内に軌道上に小型の衛星を打ち上げるという。