民間格安ロケットで宇宙利用を
2000年9月21日  Dan Brekke 2000年09月21日

ロケットについて考えるとき、たいていの人々は、シャトルや衛星を秒速7.8キロほどで地球を周回する軌道に打ち上げるといった類のものを連想する。

『チープ・アクセス・トゥ・スペース』(CATS)のロケットはちっぽけなものだ――それはちょうど、子どもたちが今でも遊んでいる米エステス・インダストリーズ社の小さな模型ロケットみたいに、せいぜい視界から消えるまで飛ぶ程度のパワーしかない。

それでは、そんなおもちゃみたいなロケットが何に役立つのだろう? 大勢の筋金入りのオタクが宇宙の夢を追い、CATSが提供する賞金を競うのを眺めて楽しむだけのことではないのか?

また、CATSはコンテストが超低コストの発射ロケットの開発に拍車をかけることを望むと言うが、実際のところ「低コスト」とは何を意味しているのだろう?

直接のターゲット市場は、通信衛星その他の高価なハードウェアを軌道に運ぶような、重量物を打ち上げる業界ではない。

むしろ、狙いは大学や企業の研究者たちに新たな手段を提供することにある。
今のところ、彼らが宇宙に手を延ばす唯一の方法は、米航空宇宙局(NASA)などが打ち上げる観測用ロケットに頼るしかない。