中国国防相 「宇宙実験禁止条約を」 ミサイル防衛牽制の狙い 
8月31日8時0分配信 産経新聞

来日中の曹剛川・中国国防相は30日、都内のホテルで講演し、
中国が今年1月に実施した人工衛星破壊実験について「完全に科学的、研究的な試験であり、いかなる国、第3者に向けての試験でもない」と強調。
今後は「宇宙の平和利用」に向けた条約を制定し、実験を禁止することが望ましいとの認識を示した。

曹氏はまた、「中国は宇宙の兵器化に反対だ。一番良い方法は(国際社会の)みんなが一緒に宇宙での試験を禁止する条約を作り、それに従うことだ」と述べた。

中国は日米両国によるミサイル防衛(MD)システム整備を牽制(けんせい)する意図から宇宙軍縮に積極的だ。
MDが早期警戒衛星で弾道ミサイル発射を探知し、大気圏外で迎撃する仕組みで、MDが整備されれば中国のミサイル戦略が無力化されるためだ。

急増する中国の国防費と人民解放軍の近代化について、曹氏は「台湾当局はさまざまな分裂活動で、台湾海峡の平和と安定を脅かしている。
直面する脅威に効果的に対応するため、国防の近代化建設は必要不可欠だ」と説明。増加した国防費の大部分は、軍人給与や制服の新調に充てられていると主張した。