登録地内4河川、改良策を提言へ 科学委グループ  2005/07/16 08:28

 知床・世界遺産登録地内を中心とする砂防ダムの改良策を話し合う知床
科学委員会・河川工作物ワーキンググループの初会合が十五日、札幌市内
のホテルで開かれ、登録地内の十三河川のうち、サケが特に多く遡上(そじょう)
しているとみられる四河川について改良策をまとめ、二○○六年度末まで
に道森林管理局などに提言することを決めた。

 座長を務める中村太士・北大大学院農学研究科教授は会合終了後の記者
会見で、「番屋など、ダムが保全している対象が移転すれば、ダムの撤去
もあり得るという方向で検討したい」と話し、国際自然保護連合(IUCN)
が求めた「撤去」も選択肢とする意向を表明した。

 しかし、委員の小宮山英重・野生鮭研究所長(根室管内標津町)は会見で
「撤去はありえない。大規模な工事をすると魚卵が全滅してしまう」と述べ
考え方の違いを示しており、今後、改良策をめぐる協議が難航することも
予想される。
ttp://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050716&j=0071&k=200507150552