「軍事博物館を開きたい」などと言って米軍から年代物の戦車や装甲車を次々に譲り受けていた男性が、博物館を開設しないで、勝手に公道を乗り回していたことがわかり、慌てた米軍は払い下げた３６台の軍用車両すべての回収に乗り出した。男性は詐欺罪に問われて公判にかけられている。
　お騒がせの主は、米ニューヨーク州バファローに住む建設会社社長トーマス・グールドさん（４７）。自他ともに認める軍事マニアで、これまでに１８台の戦車を含め装甲車や軍用バイクなどを、米陸軍から格安で買ったり、無償でもらい受けたりしてきた。第２次大戦や朝鮮戦争で実戦に使われた戦車もあった。

　しかし、グールドさんはいつまでたっても博物館を開設せず、会社の倉庫に収納。やがて近隣から「物騒な車が公道を走り回っている」という苦情が出始めた。

　連邦捜査局（ＦＢＩ）が調べたところ、グールドさんが装甲車に社員６、７人を乗せてバーまで運転していたことや、車体に社名を塗って建設作業に使っていたことが判明。けん引中に公道で事故を起こしていたこともわかった。「博物館での展示以外の用途にあてない」という約束を破ったとして、陸軍も回収を決めた。(11:19)