御期待くださってありがとう、あなたに本年いいことありますように。
さて「紀元表」には次に「印度國紀元」を挙げています。単にインドの紀元と
説明しているだけなのに、何の根拠あってか156氏はインドの「建国紀元」と
記述しています。古代インド人は凡そ時間空間の構成について、現実的な
認識を伝えていないように思われます。示されているのは常に観念的体系に
過ぎません。ある特定の時点で国家が創建されたとする伝承は存在しません。
インド人の歴史意識では建国紀元なんて有り得ないんです。
では西紀前3101年は何の紀元でしょう。これはカリユガ"KaliYuga"の元年です。
ヒンドゥー的観念では4期の大劫が循環的に継起するものとされています。
そして各大劫がそれぞれ20中劫に分かれています。
こうしたアイディアは佛教にも入ってきています。その時系列の概略を述べると
KritaYuga172万8000年(4800年)/TretaYuga129万6000年(3600年)/
DvaparaYuga86万4000年(2400年)/KaliYuga43万2000年(1200年) 
現在はカリユガ期に入っていて前3101年から開始されたというわけなんです。
この年次をどのように特定したのかは調べきれませんでした。いずれにせよ
実際に何らかの事件が発生したという性質のものではなく、回帰的暦法の
数術により設定されたものです。