■賃金引き下げ、残業代不払い分、全面支払い (16.07)
ノテ福祉会、中間管理職と円満解決

中間管理職Kさんが数年にわたり賃金(年俸制)を一方的に引き下げられ、残業代も一切支払われなかった。
Kさんは札幌管理職ユニオンに加盟しており、ユニオンが経営側と交渉した結果、全面勝利。
決め手となったのは、使用者側の不当性を立証できる資料をしっかり整えていたことだった。

この職場は社会福祉法人・ノテ福祉会(対馬徳昭理事長)。
Kさんは今回のような事態に備え、15年以上前から札幌管理職ユニオンに個人加盟していた。
予感的中というか、一方的に賃金を引き下げられ、残業代も不払いとなった。
それに対して今年5月、ユニオンが使用者側に団体交渉を申し入れた。

申入書によれば、Kさんの賃金は8年前に年収600万円だったのが、本人の同意なく段階的に450万円まで引き下げられた。
また、労働基準法に違反して時間外勤務手当を支給されなかった。
ユニオンと使用者側は2回の団体交渉の結果、7月4日付で円満和解に至った。
内容は
(1)賃金について、引き下げられる1年前まで遡り差額を支払う、
(2)未払い残業代をユニオン側が主張する額で精算する、
(3)今後、Kさんの労働条件を変更する際は組合と事前協議する、
(4)管理職ユニオンに加入したことを理由に不利益な取り扱いをしない、
の4点。使用者側も奇麗さっぱりとした潔さで、ユニオン側の完全勝利だ。

Kさんは過去2年分の出退勤管理記録、規定集、幹部からの指示の記録など、しっかりと資料を整えていた。
使用者側の代理人は労使関係に精通し、依頼主におもねることなく、是々非々の判断で望むタイプの弁護士だった。
ユニオン側の主張を全面理解したようだ。
ブラック企業とまでいかなくても、労働者の立場は弱い。
Kさんのように、いざという時に自らの身を守る備えは有効だ。
http://www.sdcom.jp/denmaga/contents/confidence/confidence-entrance.html#6e4c174048f289cf7ecb04da71e8b2690ddb6cac