https://www.clipstudio.net/oekaki/archives/151890
「良く聞く」というと、例えばどんなエピソードがありましたか。


「良く聞く」というのとはちょっと違う話ですが、岸本先生との話で記憶に残っているエピソードがあります。

マンガ作りではしばしば、作中のシーンやセリフを読者に強く印象付けておく必要があります。
物語の終盤などで回収して読者の心を動かす、キーになるシーンやセリフ、いわゆる「前フリ」ですね。
ある時期、週刊連載19ページの中で、その「前フリ」を数週間に渡って何度か入れることで、なかなか話が進まない事がありました。
私はしびれを切らして、ある週の打合せで「今週はこれを入れずに、もっと話を進めた方が良いのでは?」と指摘しました。
その際、岸本先生はしっかり話を聞きつつ、「確かに、話を先に進めるのも大事です。
でも、読者は普段の生活の中で、例えば食事をしたりしながら、僕らが思っているよりかなり適当にマンガを読んでいたりする。
僕はどうしても読者に覚えておいて欲しい所は、自分が読者に伝えた、と考える3倍以上は描いておかないと心配なんです。」と言われました。
読者によってマンガがどう読まれるか、ということに深く心を砕いている姿に感銘を受けました。


矢作がなに言おうが岸本斉史が言うこと聞くかは別な
ちゃんとしたアドバイスすれば聞く
この時にはすでに矢作では手に負えないほど岸本斉史の作家としての地位が向上してたとかでなければ