>>198
原文からの引用の仕方に一抹の悪意を感じますが、ソフトウェア工学からみればVimが
複雑でヒドイ設計だというのは確かです。ただこの本のこの章に書いてある内容は、最
初から「プログラムは最も単機能(ed)か最も包括的(emacs)かであるべきだ」「その間
の妥協はヒドいモノになる」と言う著者のソフトウェア工学的な結論があって、テキス
トエディタという例を使ってその結論に至る過程を説明している、ということを頭の片
隅に置いておくべきではないでしょうか。

この結論は、理想の設計という視点からは確かにそのとおりで反論の余地はありませ
ん。しかし、現実には様々なコスト的な制約のため必ずしも理想の設計を行えるわけで
はなく、加えてユーザが目的を達成するための「適切なコスト」という視点を欠いてい
るように思えて仕方ありません。ソフトウェアがどんなユーザを対象としているのか、
対象となるユーザはどのような要求を持つのか、ソフトウェアがユーザに対してその要
求を実現するためにどれだけのコストを課すのか、という視点を抜きにVimの設計を語
られても「だからどうしたの?」となるだけです。