先週、TVからこうせつの声が聞こえてきた。懐かしいなーと思っていたら、
正やんが「22歳の別れ」を歌いはじめた。

♪今はただ5年の月日が長すぎたといえるだけです〜
♪あなたの知らないところへ嫁いでいく私にとって〜

「あなたも嫁いでたかもしれないもんね」
「多かったと思うよ、こういう話」
キッチンから、ひょこっと顔を出した嫁が言う。
結局見合いを止めさせ、翌年結婚。彼女は2児の母親となった。
赤貧の時代を一緒に苦労してくれた。

「あちらの社長さんと結婚してたら、違う人生があったと思わない?」
そう尋ねてみると、嫁はちょっと考えてこう言った。
「逆にね、もし向こうの人生だったら、死ぬときに思ったと思う」
あぁ、この女と結婚して良かった、と思った。