続き

嫁は、俺の事が、初めて出会った時から、気になる先輩で、多分好きだった事、俺の事は、何故か最初から諦めていた事、
だから、告白されたのが嬉しかった事、告白される時は、いつも、彼氏が出来た後で、断るのが辛かった事、
それでも、相談に乗ってくれた事や、何度も告白してくれた事が嬉しかった事
俺に彼女が出来た時は、落ち込んだり、後悔したり、相手に嫉妬した事、
俺が彼女と別れたのを噂に聞いた時は、嬉しかった事、そんな自分に嫌悪感を持った事、
俺が思っている以上に自分は、重くて嫌な女だよとか、
実は、別の人からも告白を受けていて、俺と連絡を取合い出した頃だったので断っていた事、
今回、また連絡を取り合うようになって、もしかしたらと期待してくれていた事、
でもそんな事は無いと自分に言い聞かせて、普通をよそおっていた事等、色々話してくれた。

今回の俺からの告白は、嫁の中では、プロポーズなんだと脳内変換されていて、
そのつもりでOKしたんだよと言ってくれた。
こんなに早く、本当にプロポーズしてくれるなんて嬉しいけど、こんなに直ぐ決めていいの。
もう、取り消しなんて聞かないからねと言っていた嫁の顔は、未だに忘れない。

知り合ってから、お互いに好きでいたにも関わらず、これだけ時間がかかったのは、
お互いにとって一番いいタイミングまで必要な時間と経験だったのだと、お互い信じている。

そんなこんなで十数年経つが、嫁は、未だに職場や取引先や新たに知り合った友人や
その友人の知り合いから、下心見え見えのお誘いを受けている。
嫁は、隙があるのかなとか、遊んでいる様に見えるのかなとか、口説きやすい女に見えるのかなとか、悩んでいる。
嫁は、自称、考え方が古風で一途で尽くす女(古くからの友達ほど嫁をそう言うし、俺もそうだと思う)なので、
軽い女に見られている様で、そのたびに落ち込んでいる。
そんな時は、弱って甘えくる嫁に、ニヤニヤしながら萌えている。が、同時に、話を聞くたびに凹む俺が要る。